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「愛怨」 in ハイデルベルク 第9回
さて、いよいよ「愛怨」当日の模様を。
ハイデルベルク歌劇場は3年間の改修工事に入ってしまっているため、公演はオペルンツェルト(Opernzelt)で行われました。Zeltとはドイツ語でテントのことなので、直訳するとオペラのテントという意味で、要するに仮設のテント小屋ということなのですが、音響は決して悪くなく、超満員の客席は凄い熱気に包まれていました。
大劇場のように決してスター歌手が出演するわけではありませんが、歌手陣のレヴェルは非常に高く、オケもさすがに世界に冠たる音楽の国ドイツのオケでした。

まず指揮のディートガー・ホルムは若い指揮者でしたが、テンポ感がとても良く、ソリスト、オケをグイグイ引っ張っている感じでした。演出のネリー・ダンカーは、仮設テントという非常に制約を受ける空間だったにも関わらず、舞台上にオーケストラ上げ、細かい工夫も数多くみかけられました。また、日本の文化も良く勉強したようでした。

桜子/柳玲役は、韓国人のソプラノ、ヘソン・ナ(Hye-Sung Na)。声の太さ的にはリリコ・レッジェーロだと思われますが、アクートも強く、なかなかの美声の持ち主。小柄ながら情熱的な演技で聴衆を魅了しました。大野浄人役は、ドイツ人テノールのヴィンフリード・ミークス。やはり彼も少し軽めで美しいリリコ・レッジェーロ、とても楽譜を良く読み込んでいる感じがしました。また、三木先生のこのオペラでも浄人役は高音(アクート)が続いたり、非常にテノール泣かせの役なのですが、最後は少し声が掠れながらも健闘していました。このミークスには旅行中何度かお会いしましたが、奥様が日本の方で、とても感じの良いご夫妻でした。
若草皇子はバリトンのアーロン・ユディッシュ、玄照皇帝はテノールのペテル・フェリックス・バウワー、光貴妃はソプラノのシルケ・シュヴァルツ、あとはほとんどがダブル・キャストになっていたので、今プログラムを見てみても残念ながらどちらが歌ったかが分かりませんのでここれは省きます。しかし、もちろん日本語とは微妙にイントネーションが違ったり、少し違和感のあるところもありましたが、全体的には素晴らしい日本語だったと思います。日本のオペラの場合、日本人が歌っても何を言っているかなかなか聞き取れないというオペラにあまり向いていない言語なのですが、彼らの日本語は聞き取りやすかったです。もちろん作曲家と台本作家の卓越した技術があったからでしょうが。もちろん字幕はドイツ語でした。

そして、琵琶のシズカ楊静ですが、前回も言った通り、その素晴らしい琵琶の演奏は、間違いなく当夜1番の大喝采を浴びていました。

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オペルンツェルト前風景

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天井はこんな感じ
by hikari-kozuki | 2010-07-09 13:45 | Opera | Comments(0)
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